働くアンティーク。
アンティークというとテーブルや椅子、シェルフなどを思い浮かべます。家庭で使うイメージでしょうか。でもアンティークはそれだけではありません。当然、数百年前にもお店はあります。当然、家具や什器があります。当然、ハンサムなデザインのアイテムがあったはずです。
私たちは数百年前、街の人々と交流しながら、時には寡黙に、時には胸をはるように働いていたアンティークたちに注目しました。そのカタチもデザインも目をみはるものがたくさんあります。それらをその頃と同じ用途で使うのも面白いし、まったく違う使い方を発見するのも素敵。私たちは敬意をこめて「働くアンティーク!」と呼んで、いつもは目立たない彼らを表舞台に誘いたいと思います
建築家の卵のアンティーク。
実寸より少し小さい階段。驚かれる方も多いと思います。なんだと思われますか? じつはこれ、建築家の卵や大工さんが試作モデルとして製作したと伝わる階段です。中世からのフランスの熟練職人集団コンパニオンたちが技を磨くためにつくったもの、建築家が施主にモデルとして提案したもの、など目的はいろいろあるそうです。当時も、最初の目的を終えると、本などの展示にも転用されていたと言われています。現代なら何に使いますか? ショップの顔にもなりそうですし、家のリビングにドーンと置いてなんていう豪快なことも面白そう。どう使うにしても、個性を発揮できるアイテムとして活躍しそうです。
ブティックのアンティーク。
ショウケースは1800年代後期から1900年代初頭のもの。4面を囲むのはゆらぎのある古ガラスです。ところどころに修繕の跡があり、この百年数十年の間、直しながら愛着をもって使われていたようです。この中に何が飾られていたのでしょう。人形?香水?帽子? 現代の私たちが何を飾るにしても、この古ガラスのむこうに憧れを抱く、それは間違いなさそうです。
本屋さん?のカウンター。
アンティークがお好きな方はよくご存じのアイテムかもしれません。カウンターです。1800年代のかなり昔のものと言われています。ローカウンターで、裏側は棚になっています。本屋さんのカウンターではないかと言われていますが、職種はよくわかりません。座って接客するにはちょうどいいサイズではないでしょうか。狭い空間でも、低いカウンターなら圧迫感も少なく広く見えるかもしれません。ヘアサロンの受付などでも、ショップのレジにも使えそうな佇まいですね。
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